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表と裏

前にも書きましたが、私が昔トライアルを始めた頃はハンドルの立ち上がり部分がフロントフォークと平行になるようにハンドルを取り付けるのが一般的で、また基本とされていました。
しかし現在では全日本でも見られるように、多くのマシンがハンドルの立ち上がり部分を地面に対して垂直にする辺りを境にして、更に前側に倒すかもしくは少し手前に倒して若干寝かせるかといった具合で、ハンドルの取付角度は「立ち上がり部分を地面に対して垂直」もしくはその前後付近へと変わってしまいました。

ただ、全日本でも昔ながらの取付角度で乗っている人は当然いらっしゃいますが、数としてはかなり少数派になってしまったように思います。

さて、トライアルマシンのハンドルを起こす(前側に倒す)とどうなるかというと、何はともあれフロントアップがラクになります。
また上体が高くなり、体重も前に乗せやすくなるので、リヤ振りの際にリヤが浮かしやすくなります。
他にもハンドリング軽くなるので切換えしがラクになる、などの点もあげられます。
こんな風に書くと何だかイイ事ばかりのように思えますが、決してイイ事ばかりではありません。

一つ目のデメリットは、下り斜面や障害物から降りる際、恐怖の前まわり(前転)をしやすくなってしまう事です。
これはお察しの通り「リヤが浮きやすくなる」事の裏返し効果です。
下りの際、低い姿勢を自分でキチンと作れれば大して問題無いのですが、下りでハンドルに寄り掛かるような乗り方をしてしまう場合は、その高くなった上体の姿勢が逆にアダとなってしまうワケです。
ハンドルを昔風に寝かせると手首自体が下がるので、同時に上体も下がって下り斜面向きの低い姿勢となります。
また、手前に倒した場合や低いハンドルを使った場合、ハンドルに寄りかかろうとすると、イヤでも姿勢は低くせざるをえなくなるため、自動的に下りで前まわりしにくい姿勢へとなっていきます。
ただ、「下り斜面にたいする精神的な恐怖心」から見れば、ハンドルは起こした方が降り始めの恐怖感が少なくなります。
なぜかというというと、マシンに伏せた低い姿勢よりも、少しでも上体を起こした方が地面に向かって頭から突っ込むような感覚が少なくてすむからです。
でも精神的に受ける感覚と、実際に受ける物理的なチカラは別物ですもんね。

二つ目のデメリットとしては、前輪がフラつきやすくなる事です。
これは「ハンドリングが軽くなる」ことの裏返しといえます。
モトクロスやエンデューロ系のマシンを見れば分かるように、現代的トライアルマシンのハンドル取付角と比較すると、ハンドルを随分手前に倒して低く寝かせています。
モトクロスコースなどを高速で走ってハンドルの倒し具合を比較した場合、トライアル車のようにハンドルの取付角を起こしてしまうと、突起やワダチでカンタンに前輪が振られてしまって押さえるのが大変で、危なくてナカナカ速度が上げられない事がスグに分かります。
逆に手前に倒してハンドルを寝かせた場合、路面の影響で多少フラれてもフロントが勝手に落ち着くように変化していきます。

前まわりしやすい事については、ハンドルに寄りかからないようにして、下りのフォームが自力でキチンとできるようになればほとんど解消する問題で、少なくともハンドルが垂直になる位置までは大丈夫といえます。
但し、スーパーAの野崎選手のように極端な前倒しにすると、確かにリヤ振りやダニエルなどの操作はしやすくなりますが、下りの時のほんの小さなキッカケでも急激に後ろが浮いてきて簡単に前転しそうになるので、全くオススメできません。
特に下りが苦手な人や初心者などは、垂直よりも前側に倒して下り斜面を練習するのは絶対厳禁です。
そのような方は下り斜面の場合、ハンドルを垂直よりも手前に倒し、寝かせた状態で練習しないと危険な事になります。

前輪がフラれやすくなる事については、フロントを若干浮かし気味にする事でかなり対応できます。
ハンドルを起こした場合、身体が前に寄り過ぎるとヒルクライムやステアへのダッシュや加速中にフロントがフラれやすくなりますが、そのような場合は、アプローチ開始や加速時等の際に腰を落としてやや後ろへ引き、重心を下げてハンドルを軽く引き気味にするよう意識すると、それまで突込み気味だったフロントが軽くなり、マシンが外乱を受け流してくれるようになります。
マシンの前側を軽くすると、自動的に後ろ側が重くなりますので、後輪の荷重が増えてスタートや加速時のグリップも同時に向上しますので一石二鳥かも。

さて、前にも書きましたがハンドルの取付角度は各人各様、千差万別ですから、私も押し付けるつもりは全くありません。
ただ、こうしたらこんなメリットがあるけど、あんなデメリットもある、といった物理的な事は誰にも共通して起こります。
その中から、自分がどういう調整、選択をするかは各人の目的や好みによって全く自由ですよね。
というワケで私を含めてトライアル狂な皆様、それぞれ自分好みのセッティングで、今年も存分にトライアルライフを楽しみましょう!。

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