« 中国とアサヒ | トップページ | スプロケットあれこれ(その5) »

スプロケットあれこれ(その4)

さて、今回はまた「GUU子にも分かるスプロケットの変更」をテーマにいきたいと思います。
2回ほど寄り道したので、GUU子は既にスプロケット四方山話はもう完全に忘れてる可能性が大です。
というワケで、今回はとりあえず前回のまでのおさらいを、サラッと一気にやってみたいと思いますので、ご面倒ですがお付き合い下さいマセ。

① ギヤ比の求め方
先ずは、ギヤ比の求め方からです。
ギヤ比というのは、送り側ギヤを1とした時、受け側ギヤはどのくらいの大きさか?という事でした。
求め方は次の通りです。
  ・ギヤ比=回転の受け側歯数(従動車)÷回転の送り側歯数(原動車)

② 一次減速から終段減速までの各ギヤ比を求める
一般的なトライアルマシンは、図のように(一次減速⇒二次減速⇒終段減速)の順で減速されています。Img2_6













というワケで、例えば99モンテッサの一次減速から終段減速までの全てのギヤ比を求めてみましょう。
(一次減速)
  ・一次減速ギヤ比 3.211 = 受け歯数 61 ÷ 送り歯数 19
(二次減速)
  ・1速ギヤ比     2.533 = 受け歯数 38 ÷ 送り歯数 15
  ・2速ギヤ比     2.133 = 受け歯数 32 ÷ 送り歯数 15
  ・3速ギヤ比     1.813 = 受け歯数 29 ÷ 送り歯数 16
  ・4速ギヤ比     1.080 = 受け歯数 27 ÷ 送り歯数 25
  ・5速ギヤ比     0.643 = 受け歯数 18 ÷ 送り歯数 28
(終段減速)
  ・終段減速ギヤ比 4.000 = 受け歯数 40 ÷ 送り歯数 10

③ 総ギヤ比を求める
総ギヤ比とは、一次減速から終段減速までを通したトータルなギヤ比の事です。
  ・総ギヤ比 = 一次減速ギヤ比 × 二次減速ギヤ比 × 終段減速ギヤ比
ギヤ比の合計は、足し算ではなくて掛け算だという点に注意して下さい。
では、各変速時での総ギヤ比をそれぞれ計算してみましょう。
(総ギヤ比)
  ・1速時   3.211 × 2.533 ×4.000 ≒ 32.533
  ・2速時   3.211 × 2.133 ×4.000 ≒ 27.396
  ・3速時   3.211 × 1.813 ×4.000 ≒ 23.286
  ・4速時   3.211 × 1.080 ×4.000 ≒ 13.871
  ・5速時   3.211 × 0.643 ×4.000 ≒  8.258
送り側ギヤが1回転する時、受け側ギヤは「ギヤ比分の1回転する」となっていました。
「総ギヤ比」は一次減速から終段減速までの総合計ですから、クランクシャフトが1回転(=ピストン1往復)するとリヤタイヤが何回転するかという事がわかります。
例えば1速に入れた時、ピストン1往復でリヤタイヤが 32.533分の1回転(ギヤ比分の1回転)するといった具合です。

④ 目的の総ギヤ比を決める
スプロケットを変更するには、先ず目標、目的値を決めなくてはいけません。
ですから次に、何速の変速ギヤをどの位の総ギヤ比にするかを決めます。
例えば
  ・「1速(総ギヤ比 32.533)を、2速の総ギヤ比(27.396)に近づける」を目標にしてみます。

⑤ 目的の総ギヤ比となるような、終段減速のギヤ比(目的の終段減速ギヤ比)を求める
目的とする変速ギヤと、それをどのような総ギヤ比にするかを決めたら、次にそれを実現するために必要となる終段変速のギヤ比を求めましょう。
例えば1速の総ギヤ比を、ノーマル2速の総ギヤ比(27.396)と同じにしたい場合、先ずは新1速の総ギヤ比を、無理矢理ノーマル2速の総ギヤ比(27.396)と同じという事にして計算式を作ります。
  ・新1速の総ギヤ比(無理矢理ノーマル2速 27.396)
     =3.211(一次変わらず)×2.533(1速変わらず)×?.???(新終段減速ギヤ比)
となりますので、?.???を求める為に変形すると
  ・?.???(新終段減速ギヤ比)=新1速の総ギヤ比(27.396)÷(3.211×2.533)≒3.368
これで、終段減速のギヤ比が‘3.368’になれば、1速に入れてもノーマル2速と同じ総ギヤ比になる事がわかります。

⑥ 目的とする終段減速のギヤ比となるようなスプロケットの組合せを探す
終段減速のギヤ比が‘3.368’になるスプロケットの組合せ(終段減速のギヤ比)が見つかれば、1速は2速と同じスピードになるはずですから、これからそれを探してみましょう。
それには先ず、手に入る各スプロケットの組合せで得られるギヤ比の一覧表を作ります。
ドライブは送り側、ドリブンは受け側で、ギヤ比は(受け側÷送り側)でしたよね。
下の一覧では、各スプロケットの歯数同士(カッコ内の数字)が交差する部分がその組合せでのギヤ比となります。
スプロケットは、入手可能でかつ実用的な範囲を全て並べるのがミソです。
                             < ドリブン >
                  (37)    (38)    (39)    (40)    (41)    (42)     (43)    (44)
  ドライブ(10)  3.700  3.800  3.900  4.000  4.100  4.200  4.309  4.400
  ドライブ(11)  3.363  3.454  3.545  3.636  3.727  3.818  3.909  4.000

目標値にした終段減速のギヤ比は‘3.368’でした。それに近いギヤ比は
  1番目:3.363(ドリブン37枚,ドライブ11枚)
  2番目:3.454(ドリブン38枚,ドライブ11枚)
  3番目:3.545(ドリブン39枚,ドライブ11枚)
etc となります
ドリブン37枚,ドライブ11枚を使うと、終段減速のギヤ比は‘3.363’となりますから、その時の総ギヤ比は
  ・1速時   3.211 × 2.533 ×3.363 ≒ 27.352
となるので、ノーマル2速の総ギヤ比 27.396にかなり近いといえますよね。
そういうわけで、今回は目的値に最も近い終段減速のギヤ比‘3.363’(ドリブン37枚,ドライブ11枚)を取り付ける事にしましょう。

⑦ ズレの程度を確認する
次に、選んだスプロケットが目標からどのくらいズレているのかを具体的に調べてみましょう。
リヤタイヤの回転数は、クランクシャフト1回転(ピストン1往復)に対して、総ギヤ比分の1回転でしたから、リヤタイヤの外周が仮に1mとすると、目標としたノーマル2速(総ギヤ比 27.396)と、スプロケット変更後の新1速(総ギヤ比 27.352)とでは、それぞれの進む距離は次の通りとなります。
  ・ノーマル2速=1m ÷ 27.396 ≒3.65016㎝
  ・新1速       =1m ÷ 27.352 ≒3.65603㎝

新しいギヤがどの程度ズレているか?については、新1速で進める距離を、目標にしたノーマル2速で進める距離で割れば分かります。
  ・新1速の距離(3.65603㎝)÷ノーマル2速の距離(3.65016㎝)≒1.0016
これにより、ノーマル2速で1メートル進むとすれば、新1速では1メートルと1.6ミリ進む事が分かります。
1速といえばステアなどが主ですが、ノーマル2速で1メートルのステアを登る時、同じエンジン回転数なら、新1速では頂上で1.6ミリ余計に進んでいる事になります。10メートルのヒルクライムなら新1速の場合、頂上で1.6㎝余計に進んでいる事になるワケです。
この誤差を自分のライディングにリアルに重ねてみれば、おおむね判断できると思います。

※ズレ確認の裏ワザ
わざわざリヤタイヤの進む距離に換算して比較するのは面倒クサイので、鬱陶しい人は次のようにして下さい。
  ・基準とする総ギヤ比(例えばノーマル2速の総ギヤ比)÷比較したい総ギヤ比(例えば新1速の総ギヤ比)

比率を出す場合、本当なら比較したい数を、基準にしたい数で割るのががセオリーです。
でもギヤ比の場合、ギヤ比を進む距離になおして比較するために、それぞれギヤ比の逆数(ギヤ比分の1)を出してから割り算をします。
これは結局、割り算の左右を入れ換えて割り算するのと同じ事になるので、ならばいっそのこと最初から、基準にするギヤ比を割られる数に、比較したいギヤ比を割る数にしてやろうというワケです。
例えば前の例で言うと
  ・ノーマル2速(総ギヤ比 27.396)÷新1速(総ギヤ比 27.352)≒1.0016
面倒な距離換算をしなくても、総ギヤ比の割る数と割られる数を入れ換えるだけで、一発で誤差の割合が分かりますよね。

さて、超特急おさらい便はとりあえずこのへんにて。

|

« 中国とアサヒ | トップページ | スプロケットあれこれ(その5) »

日記」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 中国とアサヒ | トップページ | スプロケットあれこれ(その5) »